大きな子どもと小さな大人

このお芝居について

誰かに合わせて小さくならなくていい場所を探そう、一緒に。
ないんだったら作ろうか、一緒に。

とある集合住宅の一角、
部屋いっぱいある体の大きな子どもが座っている。
父は流行病を患い熱に浮かされながら
思い出を彷徨っている。
子どもが生まれた時のこと、
まだ小さな頃のこと、
発達に遅れがあると聞かされた時のこと、
そして、離れ離れに暮らす妻のこと…。

「普通」とはなんだろうか。
柴田智之が
障がい児のデイサービス施設で働いてきた経験を元に描く、
家族の物語。

日替わりで【ワンデイゲスト】を迎えての上演です。

※出演を予定しておりました荒浩昭さんですが、
　怪我により療養が必要となったため当公演を降板することとなりました。
　代わりまして、横尾寛さんが出演いたします。

演出家からのメッセージ

柴田智之
THE36号線／Atelier柴田山
今回の作品を上演した2022年の事を思い出そうとしてよく思い出せない私は、人生の騒動の渦中を全身に受けながら一体どこへ向かって歩んだでしょうか。
福祉をテーマにした作品は今回で2作目。本作品は障がい者福祉について取り組んだものです。高齢者介護の現場を3年、障がい者福祉の現場では10年、同時に勉強もよくさせて頂き介護福祉士／作業療法士でもある私は気づけば芸歴24年です。
福祉という現場で出会う当事者や当事者家族の皆さんが経験するすべては誤解や偏見でも分類できません。私たちが暮らす札幌でもありのままで生きようとする生活を支えようとする終わらないドラマが呼吸しています。現場でしか出会うことができないのかもわからない物語を劇として昇華することを試みるのが本作品です。頂いてきた共感と感動と学びを手渡せたら幸いです。