作:マキノ・ノゾミ 演出:多海本泰男
<ものがたり> SLの汽笛が聞こえる静岡県川根町。猪原商店の店主である正義は、かつて高校の英語教師であったが、妻を病気で失った後、教職半ばで退職し、食料雑貨店を受け継いで暮していた。 昭和53年7月のある日、正義は東京から訪ねてきた藤井秀一という一人の高校生を、秀一の親の強い反対を押し切って、当分の間預かることにした。教師だった頃の彼の信念が再び心に蘇ってきたのであった。 「宵タバコ集め喫へれど志す高き彼物忘らふべしや」歌人吉田秀雄のひとつの歌を彼は深い理由から長年愛し続けていた。そんな彼を尊敬し、時折訪ねて来る後輩の国語教師野村市恵も正義に協力を申し出た。 しかし、一人の少年の登場により、人々の関わりが思いもかけない方向へ発展することなど誰も予想していないことであった。 ~劇団新劇場 念願の5年ぶりの再演~ ★公演は終了致しました。
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