北海道でシアターキャンプを断続的に続けています。
初めは、串田和美さんのリーダーのもと2002年に富良野〜札幌で始まりました。その後串田さんとの第一期キャンプは3年間続き、朝日町や信州松本市もキャンプ地に加えて、結果、「コーカサスの白墨の輪」という作品が産まれました。
第二期は2005年から私が串田さんからリーダーを引き継ぎ、札幌芸術の森をベースキャンプに、深川市、そして歌志内市でもキャンプを3年間続け、第一期から継続して朝比奈尚行さんに音楽監督をお願いして、30名ほどの参加者が東京から、北海道内から集まって続けることができました。そしてまた、3年目に「トリスタン・イズー物語」という作品が産まれ、芸術の森野外ステージで公演しました。
そして、今年、第三期を始めようと思っています。今回題材に選んだのはヴィクトル・ユゴーの「美男ペコパンと悪魔」です。「トリスタン・イズー物語」を第二期の作品に提案する時、どっちにしようか最後まで迷っていた作品です。第二期の最終到達点として芸術の森野外ステージというあの壮大なスケールの場所・空間が既に設定されていたため、「ペコパン」よりは「トリスタン・イズー物語」を選んだのでした。今回は少し小ぶりな調整池という窪地を想定し、もう少し登場人物やドラマを丁寧に描けるのではないかと期待しています。夏の北海道で、思う存分自由に、呑気に、既成概念にとらわれることなく、新しい演劇の可能性を、見たことも聞いたこともない演劇を夢想したい。そんな思いから始まったシアターキャンプで扱う題材にふさわしい、荒唐無稽な物語です。
今年はキャンプの1年目ですから、その到達点としての公演を行います。一期目の「コーカサスの白墨の輪」、二期目の「トリスタン・イズー物語」の時もそうでしたが、それぞれ1年目に公演を行ってきました。今思えば、あの最初の1年目のまだ荒削りな公演が、ある意味、純粋に演劇の喜びであるとか、不安であるとか、エネルギーのようなものに満ち溢れていたような気もします。今回の「ペコパン」も、今回限り、朝モギのもぎたてのトウキビを午前中に茹でるような、まだやや青味がかったトマトを丸ごとかじるような、7月中に根室に水揚げされたサンマのような、そんフレッシュなみずみずしさのあふれる公演になることと思います。
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